原田将臣に聞いた【ファステック】と【マルチエントリー】、それぞれの利点&選び方
「どんなバインディングを使用するか」。これで滑りとスタイルは大きく変わる。「どのモデルを選ぶか」ということも大切だけど、「どんな装着システムが採用されたバインディングか」ということも重要なポイントとなる。SPバインディングには、【ファステック】と【マルチエントリー】という2種類の装着システムがあるが、それぞれどういう利点があるのだろう。原田将臣に聞いた。
【ファステック】
ヒールカップがなく、ハイバックをあげて足全体をツマ先側に押し込むように力をかけて装着するリアエントリーシステム。
【マルチエントリー】
トゥカップとアンクルストラップのエボバックルを外すとストラップが緩む。ハイバックを倒さなくても着脱できる。
—【ファステック】と【マルチエントリー】、それぞれに感じる良さを教えてください。
原田:【ファステック】の良さは、脱着の速さです。一度脱着の調整したら、毎回同じホールド感で装着できるのがすごくいい。【マルチエントリー】は、通常のバインディングと同じように毎回絞め具合を調整できるので、場面に合わせて簡単にホールド感を変えらえるのがいいですね。
—ゲレンデとバックカントリーエリア、両方で使用していてどうですか?
原田:【ファステック】は装着する場所を選びます。慣れてしまえば簡単に装着できますが、基本的にはフラットな場所で装着する必要があります。慣れれば背中を谷側に向けてトゥサイドエッジに乗って装着、という方法もできるようになると思います。【マルチエントリー】はラチェット2つを緩めに締めてから、ハイバックをロック。その後さらにラチェット2つを締め切ると、しっかりとしたホールド感を得られますよ。
—それぞれ、どういう人に向いていると思いますか?
原田:【ファステック】はとくに、パークなどで着脱する状況が多い人に向いています。同じホールド感でどのフィールドでも滑れる人におすすめ。【マルチエントリー】は、サイドカントリーなど、フラットな場所でバインディングを脱着できない状況が多い人に向いてます。リアからでなく、板の真上から装着が可能なので、場面を選ばず装着しやすい。また、深雪の中で転んでしまってバインディングを外さないといけない場面での脱着は【ファステック】よりも簡単です。
【Profile】
原田将臣 (はらだ・まさおみ)/1982年7月12日生まれ、北海道出身。
■身長/168cm ■スタンス/54.5cm
■アングル/ 前21度、後ろ3度
■ホームマウンテン/手稲山
■好きなライディングスタイル/バックカントリー
■インスタグラム:@masaomi7
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