18-19モデル 「Instinct i.KERS」徹底解説

Rider 赤川隼多

Board/Instinct i.KERS

head snowboards No,1の操作性とエッジパフォーマンス、トリック性能を備えるオールマウンテンモデル「Instinct i.KERS」(インスティンクトアイカーズ)を徹底解説する。

Hybrid  Camba(ハイブリッドキャンバー) DCT 形状を採用し、中速域以上のターン性能に秀でている。また、低速域でのグラウンドトリック、中速域でのジビングやジャンプ、高速域でのビッグジャンプでも高いトリック性能を持つ。ノーズ、テール部分を軽量化することで格段に操作性を高めている。現在のhead Snowboardsのテクノロジーやアイデアを集結させたハイエンドモデルである。

全体的に硬めのフレックスに設定しているが、トーション(板のねじれ)を使いやすい構造が操作性を高めている。簡単に言うと「スピードを出しても安定しているし、動かしやすい」ということ。

Hybrid camba DCT(ハイブリッドキャンバー)形状とFRAMEWALL(フレームウォール)が最高のエッジパフォーマンス(グリップが強い)と乗り心地の良い安定感のある乗り味(衝撃吸収と衝撃分散効果)を生む。

head 独自の「KERS」(カーズ)「Intellifibers」(インテリファイバー)がライディングをサポートする

ノーズとテールに「KERS」を配備し、ライディング中にノーズとテールがしなるエネルギーを反発力としてエネルギーをリリースする機能。ターン後半にテールを踏むことでテールがしなり、反発力としてパワーを解放し、加速する。ハーフパイプのパンピングやボーダークロスのパンピングの加速に心強いサポートだ。フリースタイルではオーリーをした時に高さとしてサポートし、バランスを崩した着地でも粘りとしてリカバリー能力を高める効果がある。ノーズにも「KERS」を配備しているため、スイッチトリックやライディングでも効果を発揮する。ノーズが詰まって、転倒するリスクも軽減できる。

「Intellifibers」(インテリファイバー)はノーズとテールに配備している。ライディング中の微振動をエネルギーに変換し、ボードフレックスを安定(硬く)させる。ハイスピードや荒れたバーンでのボード安定性を高める。低速域、綺麗なバーンでは、フレックスは硬くならず、扱いやすいフレックスを維持する。また、ジャンプの着地での安定感をサポートするこの機能はライダーをプッシュする。

ボードのトップシート(滑走面では逆側)には傷の付きにくい加工を施し、リフト待ちでのボードの接触などからも守ってくれる。FRAMEWALLは、ボードを倒した場合、接触、パークセクションでの衝撃にも強く、剥離のリスクも軽減する耐久性に優れている仕上がり。

抜群の操作性を生む「HEXAGONAL CORE」

ノーズとテール部分にヘキサゴナルコアを採用し、軽量化、ハイブリッドキャンバーDCT形状のトーション(ねじれ)を生かした構造と合わせることで抜群の操作性を実現している。驚くほど扱いやすいこの機能は滑りての限界を作らない。

ここまでは機能的な説明をしてきたが、実際にはどのような滑りが「Instinct i.KERS」のコンセプトなのかを具体的に紹介しよう。

ウェストが一段細くなっているハイブリッドキャンバーDCT形状は、雪面を4点の接雪点で捉え、強いエッジングパフォーマンスを持つ。足下の2つのキャンバーと細いウェストが雪面を捉えて離さない。

Rider/赤川隼多

アイシーな斜面でも積極的なターンを可能とする

トーションを生かす形状はショートターンの切り替えもスムーズに行う

低速でのグラウンドトリックの操作性が抜群で2つのキャンバーはプレストリックの安定性が高い。

Rider/赤川隼多

Rider/赤川隼多

足裏を全てBOXにつけた状態でこれだけノーズを浮かし、ねじれが生まれスタイルを作る。足裏がBOXを全体を捉える構造の安定性は誰もがわかることだろう。

Rider/赤川隼多

「KERS」はオーリーをサポートし、インテリジェンスファイバーと合わせて着地の安定性を高める。トーションを生みやすい形状はトゥイークトリックでのスタイルを際立たせる。

Rider/赤川隼多

足裏全体でレールを捉え、270 OUTを行う際の先行動作にボードのトーションが対応し、先行動作を作りやすく、回転力作り、スタイルにも直結する。まさにお手本通りの動きである。

Rider/赤川隼多

トーションはスピンを作るための要素だ。180から1080を練習したい全ての人をサポートする。180を行う際、抜ける瞬間にトーションで回転を作る。その結果が空中での安定した姿勢と浮遊感につながる。

Rider/赤川隼多

アプローチでの繊細なコントロールが必要なハンドプラントトリック。Instinct i.KERSの操作性がトリックの成功率を格段に高める。

ハイスピードでのアプローチ、オーリー、着地の安定性を備えた浮遊感のあるライディングを可能とする。この完璧なレイト180の姿勢がボードの性能を実証している。

Rider/赤川隼多

低速での動きも自由にこなすことが可能

 

基本的滑走能力が高く、操作性抜群のトリック可能なオールラウンドボード。中級者以上(カービングターンがある程度できる)の平均的な脚力を備えているユーザであれば十分に扱えるボードに仕上がっている。この板でしかできない動きを体感して欲しい。この板があなたの限界を確実にあげる。

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